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ドラフトチャンバー(局所排気装置)について紹介します!
WRITER:SOUMU
今回は、貴商エンジニアリングのドラフトチャンバーについてご紹介します。
設計から搬入据付、付帯工事まで一貫している弊社ならではの特注製品を多く取り扱っております。
付帯工事(ダクト工事、電気工事、給排水工事)から据付後の定期メンテナンスのご相談まで全て弊社で対応いたします。
お困りごと等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
目次
1.ドラフトチャンバーの標準構成
ドラフトチャンバーは、有毒なガスが発生したり揮発性の有害物質を取り扱う際、
それらのガスを安全に排気し、研究者を健康被害から守るための装置です。
発生するガスに応じてドラフトチャンバーの材質を選ぶ必要があります。
お客様の仕様用途から最適な仕様をご提案します。
・基本気流
前面風速をより均一に保つ排気ダクト
扉を閉めた状態では、前面風速が速くなりすぎないように、排気を制御します。
扉を開けた状態では、前面開口部は平均風速で効率よく排気されます。
本体紹介
1.明るい内部照明(LED標準設置)
2.落下防止前面強化ガラス(ステンレス枠入り5mm透明強化ガラス)
3.給水栓
4.給水栓操作ハンドル
5.異物吸込み防止
6.内壁(ノンアスベスト不燃化ボード制/硬質塩化ビニール製/ステンレス製)
7.作業面(セラミックタイル製/ケミサーフ製/ステンレス製/塩化ビニール製/トレスパ製)
8.下台
9.追加オプション
2.選べる作業面の高さ
長時間の作業を長年続けることは、健康リスクを高めることになります。
人間工学の視点から作業面の高さを検証しました。
作業面の高さは作業性に、関わるばかりでなく、研究者の体への大きな負担となります。
低すぎると腰に負担がかかり、高すぎると肩に力が入ってしまいます。
従来、実験台類の作業面の高さは、800mmが標準でした。
しかし、日本人の高身長化にあわせて従来の高さ800mmに加えて、高さ850mm、900mm
を標準仕様としました。
研究者、作業者の身長や作業姿勢(立ち作業、座り作業)などに合わせて選択いただけます。
お客様の環境を考えて、ご提案させていただきます。
3.選べる材質
貴商エンジニアリングでは、使用する熔材によって最適な材質をお選びいただけます。
本 体
①スチール製
耐薬品性粉体塗装が施され、堅牢で耐火性に優れた先進的なデザインです。
ホワイト、ブラック、ライトグレーの3色からお選びいただけます。
②塩化ビニール製
金属を腐食させる酸、塩基性ガスなどに適しています。
③ステンレス製
耐有機溶剤用。ステンレスの美しい仕上がりです。
内 壁
①ノンアスベスト不燃化粧ボード製
耐薬品性、耐熱性に優れています。
②硬質塩化ビニール製
金属を腐食させる酸・塩基系ガスに適しています。
③ステンレス製
プラスチックを溶かす有機系ガスなど耐有機溶剤に適しています。
作 業 面
①セラミックタイル製
珪砂とガラス粉を主原料として1000℃以上で焼成した陶器板の耐薬品性はもちろんの事
不燃性、耐磨耗性に優れています。
②ケミサーフ製
表面に特殊加工を施し、耐薬品性を高めた高圧メラミン化粧板。
優れた耐薬品性能を示します。
③ステンレス製
有機系の研究実験に広く使用され、耐衝撃性、耐熱性に優れています。
④塩化ビニール製
酸性ガスや、腐食性ガスに対し非常に強さを発揮。
柔軟温度が低い為、高熱作業には適していません。
⑤トレスパ製(熱硬化性フェノール樹脂板)
非金属性なので、錆びることがありません。
耐衝撃性、耐水、耐温性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ
汚れがつきにくく、洗浄しやすいのでメンテナンスも容易です。
4.選べる下台バリエーション
広い作業面の確保、下段部の収納・機器ユニットを設置などバリエーション豊富。
ドラフトチャンバー製品一覧
5.ドラフトチャンバーの設置場所
ドラフトチャンバーは、室内の気流の乱れが少ない場所に設置する必要があります。
一度設置すると移設が難しいので、慎重に計画する必要があります。
貴商エンジニアリングでは、下記ようなご提案を行っております。
①人の通行が少ないこと
②採光、通風が適切であること
③ダクトや給排水の配管が複雑にならないこと
④空調等の気流が影響しないこと
ドアとの距離
ドアからのなるべく離れた気流の安定した場所が望ましいが、最低でも、1500mm以上離れた場所が望ましいです。
実験台からの距離
対面するドラフトチャンバー間の距離
6.ダクト設計について
ダクト計画は室内の温湿度・気流が一定となるように給気口と排気口を配置する必要があります。
貴商エンジニアリングでは、以下のような計画をしダクト設計を行っています。
①ダクトは、最短距離になるように計画
ダクトは、長さ、曲がりをそろえ、分岐を行う場合、できるだけ機器本体に近い位置で分岐を行い、風量バランスをとります。
ダクト口径については、圧力損失を少なくするため、ダクト総長を短くする、曲がり(エルボ)数を減らすなどの配慮が必要です。
②ダクトの抵抗損失は、同じになるように計画
ダクト内では、空気の流れを妨げるような抵抗力が発生し、圧力損失が生じます。また、給排気口、分岐、曲がりなどは、
大きな抵抗力が発生します。ダクトの抵抗損失は、できるだけ同じになることが望ましく、抵抗損失を考慮してゾーニング、
ダクトルート、ダクトサイズを設定する必要があります。
③無理なダクト接続をしないこと
ダクト内では空気の流れを妨げるような抵抗力が発生し、圧力損失が生じます。
また、給排気口、分岐、曲がりなどは、大きな抵抗力が発生し、送風動力が増加しエネルギーの無駄が発生します。
④ダクトの騒音防止
ダクト板の振動は、補強材などで防止。送風機・ダンパで発生する伝播音は、消音器を設置して防止。
⑤メンテナンス時に支障がないようにスペース計画
7.給排気工事について
ドラフトチャンバーは安全性が第一優先される事項ですが、一方で多大なエネルギーが消費します。
省エネルギーに配慮した効率的な給排気システムの設計・施工が必要です。
ドラフトチャンバーのダクト計画は、安全性の確保だけでなくメンテナンス性、省エネルギーへの配慮を
既存地設備に影響を与えないか(エアーバランスは問題ないか、電源容量は不足しないか等)留意する必要があります。
〈関連ブログ〉
ダクト工事の5つの大事なこと
8.法定自主点検支援サービス
ドラフトチャンバーなどの局所排気装置は、労働安全衛生第45条で、1年以内に1回、法定自主検査を実施し、その結果を記録・保存しておくことが
事業者に義務付けられています。
研究環境の保全、研究者の健康を維持するために必ず実施しなければなりません。
貴商エンジニアリングでは、法定検査に加え、複雑で、煩わしい法定自主点検の報告書をお客様に代わって作成いたします。
・ドラフトチャンバーの検査項目
①外見検査/ダクト外観検査
傷、錆、磨耗、腐食、窪み、変形、ビスの緩みダクト内の塵埃堆積
②内装検査/ダクト検査
エアー漏れ 異音 異振動
③ガラス扉の検査
傷、錆、消耗、腐食、窪み、変形、ビスの緩み、ガラス扉
(ワイヤー・滑車・バランサー)の開閉操作による異音扉の重さ
左右のバランス、ストッパー
④バルブ類の開閉検査
各バルブ(給水、都市ガス、特殊ガス等)類の開閉操作確認
バルブの重さ 漏れ パッキングの摩耗
⑤各種配管(給水、都市ガス、特殊ガス等)廻り
漏れ 傷 磨耗 腐食 変形
⑥排水の漏れ/負荷検査
排水の漏れ 水の流れ トラップの詰まり
・スクラバーの検査項目
①外観検査/ダクト外観検査(湿式・乾式)
傷、錆、磨耗、腐食、窪み、変形、ビスの緩み
スクラバー内の塵埃堆積
②水抜き/清掃作業(湿式)
タンクとスクラバー内の清掃(水洗い)
③フィルターの交換作業(湿式・乾式)
各種フィルター(活性炭フィルター・充填材等)交換
④差圧計の調整
フィルター目詰り用差圧計の0点調整を行い、フィルター交換して運転状態となった時に
差圧計の指示値を記録します。
運転時の差圧が300㎩程度を超えている場合はフィルターを交換。
また、フィルターを交換しない場合でも、指示値を記録します。
⑤水位の調整
タンク内の高水位・低水位を計測し、適切でない時はボールタップを操作し
水位調整を行います。
⑥運転状態の外観調査
スクラバーを運転状態にし、異音、異振動、漏水、噴霧状態を調査します。
・排気ファンの検査項目
①外観検査/ダクト外観検査(湿式・乾式)
傷、錆、磨耗、腐食、窪み、変形、ビスの緩み
スクラバー内の塵埃堆積
②電圧の測定
定格電流の±10%以内であれば良好です。
③Vベルトの検査
傷 磨耗状態 あそびを点検します。
④グリスアップ検査
ファンのグリス汚れ状態を調べ、必要に応じてグリスアップを行います。
⑤INVパラメータの確認(INV附属時)
排気ファンのインバータ設定パラメータの異常の調査をします。
⑥運転状態の外観検査
排気ファン(ダクト接続部を含む)を運転状態にし、異音、異振動状態の異常
の有無を調査また、VDの開度も記録します。
・電気関係の検査項目
①動力系一次電源の電圧測定
動力系の一時電源電圧(AC200V系)を測定
(定格電圧の±10%以内であれば、良好です。)
②電灯系一次電源の電圧測定
電灯系の一次電源の電圧測定
動力系の一時電源電圧(AC100V系)を測定
(定格電圧の±10%以内であれば、良好です。)
③サーマル動作テスト
動力系電磁開閉器が、正常に遮断できるか調査します。
④排気ファンの発停テスト
排気ファンの発停操作を調査します。
⑤照明の点灯テスト
照明の点灯操作を調査します。
〈関連ブログ〉
局所排気装置は定期点検が義務付けられています
9.まとめ
弊社では、上記項目をすべて自社一貫で行っております。
また、実際に特注で製作した製品や納入実績など随時ブログにアップしております。
その他、製品ブログもアップしておりますで、是非ご確認ください。
ご不明点、ご相談等ございましたら、無料相談窓口までお願いいたします。
以上
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